歯が黒くなってる場合、むし歯かどうか心配だと思います。

概ね次の3段階に分かれます。

1. 単に着色などの汚れの場合(治療は必要ない)
2. 初期むし歯の場合(経過観察、予防が必要 上の写真の左側の歯)
3. 虫歯の場合(治療が必要 上の写真の右側の歯)

歯のかみ合わせの面に見える溝の部分は、虫歯になりやすい部分で、ここが黒くなっていることに気になる方が多いと思います。

歯の溝を含む歯の表面はエナメル質という組織に覆われています。
エナメル質はダイヤモンドよりも硬いと言われている組織で、その硬さから本来、虫歯の進行が少ない組織です。

エナメル質表面にとどまっているむし歯(初期むし歯と言います。)であれば、経過観察でも構いません。

しかし、これが象牙質まで達している時には早めに治療をした方がよいでしょう。
いったん象牙質に虫歯が達するとそのあとの進行は速く、いずれ痛みの出る状態となります。
(象牙質に達しても痛みは出ません、神経に近くならないと自覚症状は出ません。)

難しいのは、表面上黒い場合、これが中の象牙質まで進行しているかどうか、患者さん自身ではわかりにくいというところです。
症状がないと患者さんにとっては、理解を示しにくいことがあります。
(私たちでもわかりにくい場合もあります。)

そのため、レントゲンで確認したりすることが必要になります。

また、虫歯で治療をした場合、溝で見えているむし歯の黒い部分よりも中の象牙質で広がっている範囲の方が大きく、
むし歯を取り除くために黒い部分以上に削ることになり、
見た目以上に「削られた」ということにつながるのです。

 

痛みがないことと治療をしなくていいこととは違います。

歯が黒いから全て治療をするわけでもありません。

ご自身の歯について、詳しい状態を知りたい方はお気軽にご相談ください。